平野夏紀【教育百貨店ブログ】

先生に「授業内容以外」で価値提供を目指すブログです。YouTubeにも動画あげてます。

塾講師の残業代は今後どうなっていくのか

やや相場よりも高めに設定されている塾講師の新卒給与は

 

22〜24くらいで設定されていて、

これより多い塾もある。

 

しかし入社して驚くのはみなし残業代が

結構な額で含まれていること。

 

そして給与明細を見て気が付く基本給の低さ。

 

 

教育百貨店の平野です。 

教育百貨店とは英語の先生が全ての先生のために作った

主に「スキルアップ」と「転職」についてまとめた動画とブログです。

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それでは今日もよろしくお願いします。

 

 

働き方改革によって残業代の支給に関して変更点がありました。

 

大企業は残業60時間未満なら25%増し

60時間以上の場合は

50%増しでの支給が義務付けされています。

この点は変更がありません。

 

中小企業はこれまで60時間以上でも未満でも

25%増しでの支給でよかったのですが、

大企業と同じになりました。

 

よって今後全ての企業の残業代は

60時間以下25%増

60時間以上50%増

となることが決まっています。

 

ちなみに残業代は基本給を軸に

時給計算をしてそこに割増賃金を付けます。

 

この法律には罰則規定がありますので

法律を破りたくはない

裁判を起こされたくはない企業は

規定に沿って残業代の支給がされるでしょう。

 

しかし現実はそんなに甘いものではありません。

抜け穴があるどころか、

もうすでにその抜け穴を使っている企業があります。

 

動画の方が簡潔に説明しています。チャンネルもお忘れなく。

文章の方が良い方はこのままお進みください。


塾業界の残業代のカラクリ【働き方改革Part4】

 

この法律はあくまでも残業代の割増賃金率に関しての規定です。

 

今まで当ブログでは働き方改革のトンチの効いた解釈について言及をしてきましたが、

この割増賃金率の規定についても抜け穴があります。

 

それはみなし残業代を上げた分、

「基本給を同じ額下げる」

ことができます。

 

残業代を支給しないことは違法ですが、

基本給を下げることは簡単です。

 

紙1枚にサインさせれば良いだけの話ですし、

中小企業ならサインもさせずに

「勤務態度がよくない」

とか適当な理由を付けて基本給を一方的に下げることは可能です。

 

残業代は2万円増えたが

基本給が2万円下がっては意味がありません。

 

しかもボーナスの支給額は

基本給の3ヶ月分というような計算をしています。

 

基本給が下がるとボーナスの支給額を減らしても良いことになります。

 

つまり残業時間が60時間を超えたらかといって

純粋に給料が上がっていくかどうかは

経営者の誠意によって変化します。

 

上がる企業もあるとは思いますが

抜け穴があることは十分理解しておくべきです。

 

そしてよく考えると

 

今、残業代は規定通りに支給されていますか?

 

サービス残業が横行している会社では

この法律はほぼ無意味と化します。

 

ただ裁判を起こして不支給の残業代を請求した場合は

月60時間以上の残業をしていた場合に

大企業と同じ規定の額が支払われる判決が出る

という意味では労働者に有益が全くないわけでもありません。

 

ただ現実問題として裁判を起こす人は多くありません。

 

また基本給をベースに割増賃金は計算されるため

基本給を下げれば25%だろうが50%だろうが

たいした額になりません。

 

規定通りに支給しても給料は上がってないことなど想定の範囲内となります。

 

この法律も残念ながら、

「経営者の誠意」と「会社の体力」が試されるものとなりました。

 

ちなみにみなし残業代ですが、

45時間ついてれば9万円くらい支給されていないと

基本給は少ない方の部類です。

 

だいたい時給2000円くらいが相場です。(年齢にもよる)

 

そして塾業界でもみなし残業が60時間以上ついているところは少ないので

現状今と何も変わらない人の方が多いでしょう。

 

話が少し逸れますが

みなし残業が60時間までしかついていない原因は

年間の労働時間の上限が720時間までだからです。

12ヶ月で割れば1ヶ月あたり平均60時間となります。

 

よってほとんどの塾講師の人たちは

この働き方改革、割増賃金率規定に関しては

恩恵を受けにくいと言って良いでしょう。

 

YouTubeでは数分程度でさらに簡潔に説明をしています。

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塾業界の残業代のカラクリ【働き方改革Part4】

 

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