平野夏紀【教育百貨店ブログ】

先生に「授業内容以外」で価値提供を目指すブログです。YouTubeにも動画あげてます。

生徒の在籍を増やすために体験生の募集を強化する戦略は正しいか?

 

生徒の在籍を増やすことは塾教室を任されている社員にとっては絶対課せられるノルマです。日々その営業と管理に頭を悩ませていると思います。

 

私は塾講師として教室責任者をしているときに

「生徒を増やすには体験生募集を強化する」という会社や上司の考えに対して

 

一石を投じる戦略をとってきました。

そういうと結論は「退塾生を減らす」となるのですが、

なぜ退塾生を減らす方が生徒在籍を増やす上で有効なのか

 

体験に基づいた話ではなく、

本物のマーケティング戦略で実証していきたいと思います。

 

教育百貨店の平野です。 

教育百貨店とは英語の先生が全ての先生のために作った

主に「スキルアップ」と「転職」についてまとめた動画です。

詳しい自己紹介はこちらの概要欄から。https://www.youtube.com/channel/UCqp89tMf52TdoQ3n9M-SI5w/about

それでは今日もよろしくお願いします。

 

 

内容がやや難しめです。

簡単に全体像を頭に入れたい方は先に動画の視聴をお勧めします。

文章読むのは得意!という方は動画ではなく先にお進みください。


【在籍】体験生募集か退塾防止のどちらが生徒在籍増に有効か決まっている【目標】

 

生徒の在籍を増やすためには

「退塾する生徒を抑える方が圧倒的に有効」であることは

マーケティングの観点から見ても明らかになっています。

 

体験に来た生徒

体験を受けた生徒

入塾した生徒

このように順を追って人数は絞られ減っていきます。

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来塾した生徒が入塾するまでの流れ

 

それぞれの顧客にどんなサービスを提供するか、

その答えはマーケティングの世界では決まっています。

 

まず体験生の募集100名が課された場合、どのようなサービスを提供しますか?

学校別テスト対策

苦手単元の特訓講座

受験校対策

など、売れそうなサービスを提供します。

 

化粧品の店舗が無料でハンドクリームをくれたりします。

女性であればその場でメイクまでしてくれます。あれと全く同じです。

 

無料体験生を集めるためには

「あげる商品を用意」することが必要です。

 

※後述しますが、あげる商品を作るためには「豊富な資金力」と「大量の人員」が必要になります。

 

次に生徒を入塾させたい場合、どのようなサービスを提供しますか?

 

これは自信のあるサービスを提供するのももちろん正解ですが、

入塾させるというのは商品を売るということですから、

マーケティングの世界ではこの入塾する客層には、

「売れる商品を用意」

することになります。

 

塾業界であれば「英語」は売れる商品やサービスになりえます。文系理系共通だからです。

 

ただし英語でなくても、

便利すぎる自習室

いつでも質問対応してくれる講師がいる

なども「売れる商品」にはなり得ます。顧客のニーズに合わせて入塾してほしい生徒には

「売れる商品の提供」が行われます。

 

そして無事、入塾に至った場合次は何を売りますか?

入塾してもなお「あげる商品」と「売れる商品」の提供をしますか?

 

それでは塾として経営が成り立ちません。

固定客に無料でハンドクリームを塗り、目玉商品ばかり売っていても化粧品店は潰れてしまいます。

 

入塾した生徒をマーケティングでは「固定客」と呼びます。

塾であれば在籍生は全員「固定客」です。

 

固定客には何を売るか。それは

「会社が売りたい商品」を売るのです。

 

英語だけ受講されても受験では戦えませんし、

売上としてもイマイチです。

 

よってそこから国語社会数学理科などの別科目を受講させる流れは必然となり、

季節講習時には講習を取らせ、

塾によっては合宿や特訓系の講座を購入してもらうことになるでしょう。

 

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顧客別提供商品の王道



それではここからが本題です。

在籍数に問題がある、在籍数を増やしたい場合、

どこから着手するのが理想でしょうか。

 

答えは簡単です。

「固定客に逃げられないようにする」です。

 

もう少し良い表現にすると「リピーター率100%」に限りなく近付けるということです。

 

固定客のリピート率100%は塾でいうと退塾が1人も出ないことになります。

実際に退塾が全くでないというのは厳しいですが、私は250人規模の教室で5ヶ月間退塾0人なら実現したことがあります。

 

リピート率は会社にとって非常に重要です。

東京ディズニーランドのリピート率は90%を超えているとされています。

 

ほぼ毎年入場者数で過去最高記録を更新し続けています。

 

こんな経験はありませんか?

ものすごく宣伝されているから美味しいかと思って行ってみたら味は普通だし接客もイマイチな飲食店ってありますよね?

またいきますか?おそらく行きません。

 

お客さんを増やすためには固定客をいかに作るかが大事なのです。

 

ですから在籍を増やすためにはこの順番で改善をしていくことになります。

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在籍増の順番

 

なのでタイトルにある

生徒の在籍を増やすために体験生の募集を強化するのは正しいか

という問いは

 

「間違っている」と明言しておきます。

 

またそれぞれの顧客層には次のような策が有効です。

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各客層に向けた提供サービス

 

よく考えたら当たり前なのですが、

授業の質も悪い、質問対応も悪い、価格も高い

そんな塾、広告宣伝費を投下すれば

体験生は集まりますが、入塾まで到達し固定客とするのは非常に難しいでしょう。

 

その状態で固定客を増やしたいとなれば広告宣伝費は億単位になってしまいます。

そんなことができる学習塾は豊富な資金力を持っている「ベネッセ」「河合塾」「東進」くらいしか無理な話です。

 

なのでこの3社の塾以外は生徒の在籍を増やしたいならまずやるべきことは

「固定客に向けたサービスの質の向上」です。

 

授業が上手

先生の対応がピカイチ

質問対応が丁寧

 

こんな当たり前のことで生徒は確実に増えます。

 

それができたら売れる商品を作りましょう。

塾だと1人でもスーパースターの講師がいると入塾が増えます。

または多様なサービスを展開することも負担は増えますが在籍増に繋がります。

 

多少営業力が乏しくても体験にきた生徒が入塾に至る可能性が高くなります。

「目玉商品を用意する」のです。

 

管理職は自らスーパースターになっても良いですが、

人材育成でスーパースターを複数名育成しましょう。

 

売れる商品が講師自身だと最強です。どんなサービスも売れます。

 

 

最後にテコ入れをするのは体験生募集の営業です。

ですがこれは広告やCMなどは本社に頼らざるを得ません。

 

現場でできることと言えば、

校門前配布

在籍生徒の交友関係の把握

くらいでしょう。

 

やれるのであればやるべきです。やらない言い訳にしろと言っているのではありません。やりましょう。ただし優先順位としては最後です。

 

この手法はプロダクトツリーと呼ばれる

ちゃんとしたマーケティングの手法です。

 

私の個人的な感想ではありません。

私はこれを実践し、年間退塾率30%の崩壊した校舎を4ヶ月で退塾をほぼ無くし、

その後、大きく在籍数を伸ばしました。

 

年間退塾率は3%まで減少。

在籍数が昨年比147%となりました。200名の生徒が300名近くになりました。

 

ガツガツの営業をしたのではありません。

 

今いる生徒へ最高級品質の授業と対応をしたのです。

またそれができる講師やアルバイトの育成に全力を尽くしました。

 

やっぱり塾は授業と質問対応の質が良ければ、

固定客は逃げないですね。

 

YouTubeではこの内容を数分程度でさらに簡潔に説明をしています。

高評価チャンネル登録もお忘れなく。 


【在籍】体験生募集か退塾防止のどちらが生徒在籍増に有効か決まっている【目標】

 

 

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