東京ディズニーランド・シーとユニバーサルスタジオジャパン、どちらが好きかそれなりに先生にも様々な意見があるだろう。
ちなみに私は遊園地としての世界観ではディズニーの方が好きだが、キャラクター単体ならUSJのミニオンの方が好き。両方好きだし、常に両方行きたいと思っている。
私は塾講師時代から、ディズニーのこういう姿勢は教室運営に生かせる、USJのこの考え方はは授業に生かせるなどと考えながら遊んできた。
今回はディズニーとUSJの違いを考えその特徴から、
①現在の先生としての立ち位置
②まず最初に目指すことのできる先生としての方向性
③最終的に目指すべき先生としての究極形
上記3点を提供していきたいと考えている。
※動画の内容よりもブログはかなり細かく書いていますので簡潔な方が良い方は動画をお勧めします
ディズニーと言えばその圧倒的な世界観と桁違いの充実したアトラクションから長年日本のテーマパークではダントツの人気を誇ってきた。近年は入場者数が頭打ちになりつつあると言われているが、その人気は不動のものである。
開園直後から苦境に立たされ様々な不祥事を起こしたUSJだが、今ではディズニーを抜いて日本で最も人気のあるテーマパークだとするデータもある。
そんなディズニーとUSJの違いを2つの軸から考えていく。
行ったことがある人は構わないが、行ったことがない先生は動画を参考にしたようが良い。
ディズニーの特徴(=USJに足りないもの)
ディズニーの特徴、それは圧倒的な世界観だとやはり思う。夢の国と呼ばれる理由もよくわかる。ディズニーは園内に入ればもうその瞬間から外の世界とは遮断される。
さらにその世界観をもう少し詳しく見ると私はそこに「独自性」と「一貫性」があるように思う。ディズニーのキャラクターは全て自前で制作したものであるし、話の内容もどこかで見たような内容ではなく、その独自性は常に保たれている。また独自性を保ちつつもどのキャラクターであろうがそのメルヘンチックな世界観は常に一定だ。ここにディズニーとしての一貫性も感じる。
逆にUSJはディズニーの特徴をそこまで再現していない。世界観はディズニーに劣る。園内から阪神高速が見えるし、この何もないフリースペースはなんだ?と思う場所もある。またUSJが導入しているキャラクターはUSJが自前で制作したものもあるが、よそから借りたものもある。(過去にアトラクション等で導入された、コナン、ゴジラ、ルパン、セーラームーン、エヴァンゲリオンなんてUSJとは本来なんの関係もない)
ここにはUSJが作り上げた独自性もなければ、様々なキャラクターを導入するのだから「USJといえばこの世界観!」みたいな一貫性もディズニーと比べるとないと言える。
USJの特徴(=ディズニーに足りないもの)
USJはとにかく自由度が高い。(再入場できないことを除いて)
年中いつでも仮装自由だし、開園直後にアトラクションまで全力疾走しようがクルーから注意もされない。自撮り棒で撮影もOKだし、ポップコーンの入れ物がディズニーのものであっても売ってくれる。ディズニーはハロウィンイベントを除いて仮装禁止、走るの禁止、自撮り棒禁止、ポップコーンの入れ物はディズニー販売のものに限るなど、意外と制約が多い。
ただこれを自由度が高いだけで済ますのではなく、「顧客ニーズにできる限り応える」姿勢だと思っている。顧客がやりたいことを規制せず、徹底的にやってもらうスタンス、それがUSJの特徴である。
だからこそ様々なニーズに応えていくためにはディズニーのような一貫性のある世界観よりも、「園内に1つでも好きなアトラクションやキャラクターがいる」方がニーズを満たしやすい。絶叫アトラクションが嫌いでもミニオンかスヌーピーが好きならUSJに行く動機になるし、逆に全くキャラクターに興味がなくても絶叫マシンが目的でUSJに足を運ぶことは十分あり得る。
ここから考えるそれぞれの特徴と経営戦略
ディズニー
特徴:一貫性を追求した、独自の世界観
経営理念:ディズニーが考える世界観に賛同してくれる顧客にサービスを提供する
特徴:自由度が高く、コンテンツの幅を広げて好意を持ってもらう可能性を広げる
経営理念:様々な顧客のニーズにUSJが応えて行く
こう考えると、ディズニーとUSJの戦略は真逆のようだ。
ディズニー「私たちの世界が好きと言ってくれるお客さんに最高のサービスを提供するよ」
USJ「みんなが好きそうなもの片っ端から導入するから、それを見に来て楽しんでよ」
みたいなスタンスだと言える。
ただ両方ともその提供するサービスに「センスがある」という意味では共通点がある。
では本題に戻ろう。
①現在の先生としての立ち位置
私は先生にもこのディズニーのスタンスの先生と、USJのスタンスの先生がいるように思う。また両方ない先生もいる。
ディズニースタンスの先生
「私の考える良い教育とはこれ!」という世界観がはっきりとあり、全ての行動や言動がその世界観に通じている先生
USJスタンスの先生
生徒のニーズは地域・学年・時期によって変化するものだから、その時の個々の生徒のニーズを掴み取って幅広く対応する先生
そのスタンスがディズニーでもUSJでもない先生
ただ日々の生活を営むために給料をもらう手段としてたまたま先生をやっているだけで、自分で考える目指したい教育像もなければ、生徒のニーズにも応えようとしない先生
②まず最初に目指すことのできる先生としての方向性
まず両方のスタンスがない先生は、どちらでも構わないので「自分の考える世界観」を提供する先生か、「生徒の幅広いニーズ」に応えられる先生を目指して欲しい。
自分はディズニーもしくはUSJタイプだと自覚があるのなら、そのクオリティを上げるところから始めよう。
ただし世界観を提供したいと思う先生はそのあらゆる行動と言動に一貫性が必要だ。少しでもその世界観から外れるようなことをすると「信用のない先生」へと一気に落ちてしまう。
「仲間と共に頑張ることが大事」とか熱血なこと言って体育祭を頑張らせておいて、いじめには対応しないとか最悪である。
「自立することが大事」とか言うくせに、教室内のルールばかりが増えて生徒を縛り付けたりするのも問題がある。
その世界観に一貫性がないのは、生徒にとっても迷惑だ。またその世界観のセンスが良いかどうかも問題である。「偏差値を上げて良い高校大学に行けば幸せなんだ!だから勉強を頑張らせる!」みたいな世界観だと、私はセンスがあるとは思えない。
生徒のニーズに応えていくスタンスの先生は、他人の気持ちがわからなかったり、敏感に感じ取れないだけでこのUSJスタンスは難しい。でも先生になる人はそういうことができる優秀な人も多いから、ほとんどの先生はスキルを磨くなどすればこのタイプにはなれると考えている。
ただどの程度のニーズまで応えられるかは先生の人間としてのスキルが関わっており、個人差がある。
先生のスキルの向上を目的にしているのは、このブログのテーマであり世界観であるから、必要なものだけでも構わないので参考にして欲しいと思う。
③最終的に目指すべき先生としての究極形
私はこのディズニーとUSJのスタンスを両方兼ね備えている先生が、究極に良い先生だと考えている。(そのセンスの良さやスキルが高いのが大前提ではあるが)
先生自身に教育として一貫した世界観がありつつも、生徒のニーズには徹底的に応えて行く。こういった先生になるのを最終的に目標にしていって欲しいと考えている。
私は元々USJのスタンスだったが、その後管理職になった時はディズニータイプに転換した先生であった。どちらが良いとかはない。自分に合った方を伸ばすのも良いし、苦手な方にシフトするのも良い。ただ最終的には両方をできる先生がたくさんいれば良いなと思っている。
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