平野夏紀【教育百貨店ブログ】

先生に「授業内容以外」で価値提供を目指すブログです。YouTubeにも動画あげてます。

ウィザスの倒し方【この財務状況は・・・】

教育百貨店の平野です。

今回は「ウィザスの倒し方【この財務状況は・・・】」についてお話していきます。

 

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今回の内容は動画でも解説しています。

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学習塾「ウィザス」(第一ゼミナールなどを運営)の事業構造、財務状況の分析、そして競合となる地域の中小塾がウィザスに打ち勝つための戦略をまとめたものです。

特に、財務指標の一つである「インタレスト・カバレッジ・レシオ」の異常な高さから、ウィザスの抱える潜在的な弱点を分析していきます。

ぜひ最後まで読んでいってください。

 

 

ウィザスは、上場企業であり、主に三つの事業を展開しています。

第一の柱は「学習塾事業」で、特に「第一ゼミナール」(集団指導)と「個別指導のパロス」を運営しています。

第二の柱は「高校・キャリア支援教育事業」で、通信制高校などの運営が含まれます。

第三の柱は「ICT教育」で、完全子会社である株式会社SRJを通じて提供されており、教育内容に科学的な根拠に基づく教育メソッドと「サイクル復習法」を取り入れています。社員数や校舎数から見て、ウィザスのメインブランドは学習塾事業であると判断できます。

 

ウィザスの最大の強みは、**「多角経営」と「ICT教育の導入による脱・人海戦術」**です。

多角経営により、一つの事業が不振に陥っても他の事業で会社全体を支える安定性(大企業の強み)があります。

また、ICT教育の導入を積極的に行うことで、属人的な教育からの脱却を目指しており、講師のスキルや経験に依存しない均質化された教育サービスの提供と、人件費高騰のリスクを抑えた経営構造を確立しようとしています。

これは、東京の学習塾でICTと教育を融合させた経営を進める「栄光ゼミナール」に似た経営戦略であり、ウィザスは関西における「ICT教育に強い大手塾」と位置づけられます。

 

 

 

ウィザスの財務状況を分析した結果、一見すると極めて安定しているように見えますが、決定的な弱点となり得る点が見つかりました。それが財務指標の「インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)」の異常な高さです。

インタレスト・カバレッジ・レシオとは これは、事業の利益(営業利益+受取利息+受取配当金)が、金融費用(支払利息+社債利息)の何倍あるかを示す指標です。

「事業利益 ÷ 金融費用」で求められ、この値が高いほど「利息を支払う能力が高く、財政的な余裕がある」ことを示します。

最低でも1以上、標準で2~3程度が健全なラインとされています。

 

ウィザスのICRの異常性 2019年のウィザスのICRは200倍以上という異常に高い数値を示しています。

これは、事業利益が非常に高い一方で、支払利息などの金融費用がほとんどかかっていないことを意味します。

金融費用がかからないということは、銀行からの借り入れや社債の発行をほとんど行っていない、つまり、自己資金だけで事業運営を行っている可能性が極めて高いことを示唆します。

 

 

ICRの異常な高さが示す弱点 この自己資金中心の経営は、裏を返せば「投資不足」を意味します。

企業が成長するために必要な、設備投資、M&A、新規事業の拡大、積極的な広告宣伝費への支出といった成長投資を、銀行からの借入というレバレッジをかけて行っていないと解釈できます。

現在のウィザスのICRは、理想とされる10倍程度を遥かに超えており、この状況は「資金の使い道がなく、成長投資を意図的に抑制している」状態であると強く疑われます。

特に、ウィザスが主要な事業エリアとする大阪などの関西圏では、今後数年で人口減少が予測されており、このような状況下で投資を怠っていることは、将来的な生徒確保の難化に対応できていない致命的な弱点となります。

 

 

 

ウィザスのこの「投資不足」と「大企業ゆえの緩み」という弱点を突き、地域の中小塾が競争優位に立つための戦略として、以下の二点を提言します。

 

① 大企業の慢心に対する意識の差で勝つ

ウィザスのような大企業は、財政的な余裕から、現場の社員や役員に「安心しきっている」慢心が生じ、結果として、目の前の生徒一人ひとりに対する意識や、サービス向上のための情熱が甘くなりがちです。

対して、地域の中小・ベンチャー塾は、その「ベンチャーの心」を持ち、目の前の生徒や保護者に対し、必死で食らいつき、きめ細かなフォローと営業で取りに行く姿勢が求められます。

この意識の差こそが、大企業と差別化を図る最も容易で効果的な方法です。実績や看板の力ではなく、熱意やサービスの質で勝負することで、市場における優位性を築くことができます。

 

② 「あえて」属人的なフォローで勝つ

ウィザスはICT教育による「属人性の排除」を目指していますが、学習塾という事業の性質上、「先生と生徒の濃密な関わり」はゼロにはできません。

生徒や保護者の中には、「機械任せの教育ではなく、情熱を持った先生にガッツリ見てほしい」という強いニーズが確実に存在します。

中小塾は、この大手が排除しようとする「属人的なフォロー」をあえて徹底的に行うことで、ウィザスとの差別化を図るべきです。

教室長や講師が全面的に面倒を見るという姿勢を打ち出し、濃い人間関係を築くことで、ICTでは満たせない顧客の信頼と満足を獲得することができます。

ただし、この戦略は講師の労働負荷が高まりがちであるため、労働時間を適正に管理しつつ、効率の良い「属人的フォロー」を実現するバランスが重要になります。

 

 

ウィザスは安定した大企業ですが、財務状況の分析から、成長に必要な投資を抑制している可能性が高く、この「投資不足」が大企業としての成長の鈍化や慢心に繋がる弱点となり得ます。

現場の中小塾は、この大企業ゆえの弱点(投資不足、慢心、属人性の希薄化)を突き、「熱意と徹底的な個別フォロー」という真逆の強みで戦うことで、十分に競争に勝ち残っていくことができると言えます。

 

 

 

以上となります。

よろしければ以下の動画でもご覧いただき、さらに理解を深めてみてください。

 

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株式会社A.ver林社長(武田塾)※役職撮影当時

https://youtu.be/XAHrJLNJn5k

株式会社ポラリス吉村社長(ポラリスアカデミア)

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株式会社ジャスメック清水社長(誉田進学塾)

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社長シリーズの出演は全ての塾が出演依頼可能ですが出演には審査があります。