世間を取り巻く「働き方改革」
先生はその恩恵を受けられるのか。
また、本当の意味での働き方改革はどう行うか。それを今回は考えていきたいと思っている。
教員も塾講師もどんなに国や会社が働き方改革をしようと言っても、現場に権限が移譲されているといるのでは結局働き方改革できるかはどうかは「上司次第」の可能性が高い。
また、働き方改革を本来の意味で使わない企業が増えている。
他にもただ単に「早く帰れ!(でも結果は出せ)」とだけ言っている事態も起きている。
規定の勤務時間内で残業も減らしても同じ結果を出せる。
これが本来の働き方改革の意味だと思うし、あわよくば、
規定の勤務時間内だけで、残業をしていた時よりも結果を出す。
これが究極の理想形である。
最後には方法論も見ていきたい。
【マッキンゼー】業務量と残業を減らすシンプルな2軸【イシューからはじめよ】
そもそも先生に限らないが、1時間で普通にやれば100できる仕事を、早く帰ったら文句言われるからと1時間で80くらいのスローペースでやって、トータルで500の仕事をやってから帰ろうとする人は多い。一般企業でも起きている。
残念なことに、自分の好きなペースで仕事できるし1時間に80のペースで仕事する方が良いと思っている人もいる。
するのは勝手だが、巻き込むのは勘弁してほしい。
ひどいのは頭を使って効率化したり仕組み化したりして1時間に120の仕事量をこなしても、早く帰ろうものなら、「余った時間で新しい仕事をしろ」と言われることもある。効率化した意味が全くない。
だから無駄な仕事がなくならないどころか、意味のない煩雑な作業が日々増えていく。おそらくこの事態は学校の先生の話を聞く限り、塾よりも公立の学校の方が問題になっているように感じる。
こういった状況を私は「残業依存症」と呼んでいる。
一部の人間が「長時間労働の美徳」と「頑張って仕事をしているアピール」に使っているわけである。
こういう組織の体質は「変わらない」と思った方が良い。
しかし長く勤めていれば必ずどこかで出世するタイミングがやってくる。その時に下から「あの上司(あなた)は残業依存症だな」と言われないために、今帰る時間は変わらなくとも、本当の意味での「働き方改革」を隠れてでも実践しておくべきである。
隠れてでもやった方が良い本当の意味の働き方改革とは
まず下の図を見てほしい。
本当の働き方改革、それは3をやらないことである。
自分のやっている仕事を分類してみてほしい。重要度の高い仕事は実は意外と少ない。
(重要度の高い仕事が多い先生は、仕事の優先度がつけられなかったり、部下へ仕事を任せられないタイプの残業依存症かその予備軍ですので要注意です。)
重要な仕事なんてせいぜい1個か2個程度です。精査してください。
塾講師として教室の責任者をやっていた私が考える業務の振り分けを参考にしてください。
まず私は①の内容として、生徒の新規獲得がある。
これは会社から未達成だと圧力をかけられるノルマの意味合いからも重要性も緊急性も高い。だから自分で動く。
塾にこれる友達がいないかどうかの確認や、塾にお越しになった保護者や学生への面談は最優先。他の全ての仕事をキャンセルしても良いレベルの最重要事項である。
②は緊急性が高くない。でも重要性は高いからここをやらないと結果は出ない。
私は教室環境(スタッフ及び生徒)の整備を行っていた。毎日汚れたり不便なこともおきたりはするが、絶対に毎日やるほどでもない。だから緊急性は低いが、重要な仕事。
ありとあらゆるある塾の教室の中で私の教室は1番清掃が行き届いていた自信がある。素晴らしい勉強と労働の環境は教室内の整備から。これは毎日ではないがしっかり時間をかけて取り組んだ。
本題に戻るが、
この3をやらないことから、働き方改革は始まる。
先生は業務量が多い。だから効率よくさばくだけでは限界がある。
1か2で残業するなら先生はサービス業なのでわかるが、3は自分でやらなくてもほとんど支障がない。思い切って「やらない」と決めないと仕事は減らないから、本当の意味での働き方改革は行えないのである。
とにかく3をやめよう。毎日緊急性の高いどうでも良い仕事に追われていたら、何もできない。結果も出ない。
結論
重要度の高い仕事だけやること
緊急性の高い仕事はでも重要でないなら思い切ってやめてしまうこと
重要度の高い仕事さえうまく言っていれば、結果は出せるから上司から文句を言われることも減る
「やりたくないから」という理由で重要度の高い仕事を低い方に分類しないこと
早く帰るしそんなに仕事もしているように見えるのになぜか結果が出ている人はこの3をやらないことを徹底している。
重要度の高い仕事に全力を注ごう。
ちなみに3をやらなくなると、職場にいる「ルーティン絶対やり切るババア」からは嫌われる。気にせず重要度の高い仕事に集中して、まずは「隠れ働き方改革」をしていこう。
上司になった時、自分のチームだけは「本当に意味での働き方改革」を実行してほしい。
それが先生の余裕になって、生徒に還元されたら良いなと思っている。