平野夏紀【教育百貨店ブログ】

先生に「授業内容以外」で価値提供を目指すブログです。YouTubeにも動画あげてます。

辞めた方が良いブラックと、辞めなくても良いブラックを考察する

今いる教育業界を辞めるかどうかの判断は、正直なところ最後は自分の判断である。

辞めたければ辞めれば良いし、辞めたくないなら辞めない方が良い。

 

ただその中で、転職先が見つかるか不安

転職して今より労働環境が悪くなったら困る

などの理由から転職を踏み切れない先生は多いように思う。

 

そんな人たちが今の職場を退職すべきか、続けるべきかの1つの提案をしていきたいと思う。

 


【転職】辞めた方が良いブラックかどうか見極める【中途採用】

 

まずブラック企業ホワイト企業など様々な呼び方があるが、ブラックかホワイトかの基準は非常に曖昧である。また、ブラックだから勤められない、ホワイトだから長く勤められるとも限らない。

実際私はブラック企業には4年も在籍し管理職まで経験済みだが、ホワイト企業はとある事情(以下で解説)に耐えられず1年で退職している。

 

ブラックだから辛い、ホワイトだから良いみたいな世間の常識とは反対のことをした私だからこそわかる、続けるべき会社かどうかの判断を提案していきたい。

 

言葉の定義

ホワイト→各自の判断(労働基準を守っているなど)

ブラック→各自の判断(労働基準を守っていないなど)

トップダウン→仕事のやり方が会社及びマニュアルによって決められている

ボトムアップ→仕事のやり方がある程度、現場の発想や状況に任せられている

 

ブラックな環境にいる先生には、

ホワイトは憧れの対象ではあるが、実はホワイトにも難しさは存在するし、ブラックにもメリットはある。

 

ホワイトのメリット

残業自体が少なく、サービス残業がない

パワハラが起きにくい(上司による)

人事部が現場を監視し労働環境の改善を指示できる機能を持っている

 

ホワイトのデメリット

決められた業務時間内に業務を完遂し切る能力が求められる

出来なかった仕事のカバーは上司が行うので心が痛む

時間で能力をカバーできないので能力の差が露呈しやすく、能力がない人は居づらくなることがある(※できないなら人一倍努力と時間を使ってできるようになりなさいみたいな理論が使えない)

 

ブラックのメリット

仕事をやり切るためにどのくらいの時間を使うかは自分次第

自分の仕事のミスを自分で帳消しにできる

能力がなくても多大な時間を費やせば優秀な社員に成績で追いつくことができる

(※これを上司が悪用すると、結果出るまで帰るなとか、結果出てないから早く出勤しろみたいなことになる)

 

ブラックのデメリット

労働時間が長い、休日出勤が多い、持ち帰りの仕事が発生する

結果が出ていないときの上司からの詰めが辛い

人事部が現場を監視する機能を持っておらず、現場の違法な労働を通報する社内制度がない(あっても形だけで意味がない場合も含む)

 

ホワイトが良くて、ブラックがダメかどうかは、その人の能力にもよります。

ブラックをただ批判するのはやめましょう。

能力次第ではホワイトな環境についていけないこともあり得るのです。

 

また、トップダウンボトムアップについても見ていきます。

 

トップダウンのメリット

仕事のやり方が会社によって決められているので、その指示に従うだけでよく自分で考える手間がない

無駄な仕事が発生しにくく、業務が効率化されている(ことが多い)

 

トップダウンのデメリット

指示に従わなければ、結果が出ていようが評価されない

現場の意見など吸い上げる気もない

従業員は社員アルバイト問わず歯車でしかない

 

ボトムアップのメリット

あなたの考えを尊重し任せてくれる(ことが多い)

自分の意見を持つ社員はモチベーションを維持しやすい

 

ボトムアップのデメリット

様々な意見を吸い上げるからこそ、効率化できず無駄な業務が発生する

自分の意見を持っていない社員はモチベーション維持しにくい

 

2つの軸から企業及び職場の4つの分類をするとこうなる。

①ホワイト・トップダウン

②ホワイト・ボトムアップ

③ブラック・トップダウン

④ブラック・ボトムアップ

 

それぞれ解説していきます。

①ホワイト・トップダウン

ホワイトな環境がトップダウンになりやすいのはやむを得ない部分です。

世間が求めているホワイトというのは労働環境を指していることが多く、無駄が発生しやすい現場の意見などいちいち聞いているボトムアップを取り入れていたら労働時間を少なくすることなどできません。

何も考えずただ業務をこなしたい人には向いていますが、自分の意見を持ちそれを仕事に生かしたい人にとっては、ホワイトのトップダウンは苦痛かもしれません。

「会社の指示に従って結果を出して。結果が出なかったら会社の責任。」というスタンスです。

 

教材研究をやらなくても良いけれど、授業の教え方が完全にマニュアル化されていて、独自の教え方ができないとなったら嫌がる先生も多いと思います。

 

②ホワイト・ボトムアップ

会社単位では、理論上は不可能だと思われます。

様々な社員の意見も吸い上げつつ、無駄を無くして労働時間も少ないなど起こり得ません。意見を吸い上げるというのは理想論も含む無駄のオンパレードです。

ただし小さな単位で動く「自分の教室だけはホワイト」のような環境を作り上げることは可能です。良い上司に巡り会えると、会社はブラックだけどこの教室はホワイトと思えるでしょう。

 

③ブラック・トップダウン

最悪です。

会社の指示に従って仕事をするのに、それが規定の勤務時間内に終わらないなんて会社自体が無能極まりありません。つまり経営層が無能なのです。経営層が無能な会社にいる価値はありますか。

トップダウンの良さは無駄を省いて効率的に仕事を終わらせることにあります。その良さがないのに、さらにブラックなど話になりません。

即転職活動に踏切りましょう。こういった職場にいる人は、次の職場がブラックだったらと考える必要はありません。今その状況が最悪の環境です。

 

④ブラック・ボトムアップ

ボトムアップがブラックになりやすいのもやむを得ません。

仕事のやり方はある程度自由であなたの好きにやって構わないと言われているのですから、その結果の出し方も自由なのです。

「お前の好きにさせるけど、結果は出せ。結果出さなきゃお前の責任」という状況ですが、こういう会社は私個人としては「セーフ」と考えています。

ただしマニュアルに従ってあまり考えることもなく仕事がしたいタイプはこの状況は苦痛でしょう。

 

それぞれの環境に評価をつけるのであれば、

◯ホワイト・ボトムアップ(会社単位では存在しないかも)

△ホワイト・トップダウン/ブラック・ボトムアップ(どちらが合うかは好み)

×ブラック・トップダウン

 

私は元々はブラック・ボトムアップの塾の会社にいました。それをホワイト・トップダウンの会社に転職しました。確かに残業時間はかなり短くなり、数字の詰めもなく、土日祝日は完全に休みで有給もほぼ100%消化していました。

 

しかし、自分の意見が全く反映されず、会社の方針に絶対に従わなければならない状況に耐えられず1年で退職しました。結局私は8時間会社に縛り付けよりも、10時間自由に仕事ができるブラック・ボトムアップの方が向いていたわけです。

 

ただ転職エージェントとしての経験上、ブラックボトムアップよりも、ホワイトトップダウンの方が向いている人は多いと思います。転職するならそういった企業を探しましょう。

 

結論

ホワイト・トップダウンが向いているか、ブラック・ボトムアップが向いているかは人それぞれです。自分の性格と相談して決めましょう。この2つのタイプは普通に転職先として存在します。

 

ブラック・トップダウンにいる人は即転職活動に踏切りましょう。せめてブラック・ボトムアップの会社にでも転職できれば、「労働時間は長いけど楽しい」と思えるでしょう。ホワイト・トップダウンに転職できれば「こんなに早く帰れるし、休みもちゃんとあるなんて嬉しい」と思えるでしょう。

元転職エージェントの私から言わせるとホワイト・ボトムアウトの会社などまず存在しません。幻想を追いすぎるのはやめましょう。

 

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参考文献 

改訂版 採用側の本音を知れば転職面接は9割成功する

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