平野夏紀【教育百貨店ブログ】

先生に「授業内容以外」で価値提供を目指すブログです。YouTubeにも動画あげてます。

授業の研究とは、授業をパクることでしかない

私の祖父はとある県で小中学校長会の会長をしていました。その経歴から考えると実力のあるの数学の教員だったようです。(身内自慢をしたいわけではありません。)

 

実際の授業をするところは見たことはありませんが、祖父の部屋一面を覆いつくすほどの算数数学の参考書や文献を見ていると、授業の研究をし尽くしたそれなりに力のある先生だったんだなと思います。

 

そんな祖父が唯一私に先生として生きるためのアドバイスした言葉があります。それは、

「良い先生の授業を見て徹底的に真似をするところから良い授業は始まる。真似したい好きな先生はいるのか?」でした。

私は、祖父はおろか親の言う事も聞かない子供でしたが、

この言葉だけは妙に納得感がありました。

 


【校長】授業がうまくなるために必要なたった1つの考え方【直伝】

 

というのも、私が英語の講師になることを志したきっかけの先生は河合塾の高木雅弘先生でした。

高木先生は河合塾の本丸である名古屋地区で人気ナンバーワンだったことは間違いなく、超人気講師でした。高木先生の授業に魅せられた生徒はたくさんいたと思いますし、私もそのひとりでした。

 

そんな高木先生がある日授業で、

「僕の授業は代ゼミの富田先生の言ってることほとんど同じだから、自分で勉強したいときの参考書は富田先生のを使うと良いよ。僕の言ってることとリンクして使いやすいと思う。」と仰っていました。
河合塾の講師が代ゼミの参考書推すとか面白いなと、当時はそれくらいしか思っていませんでした。)

 

祖父の言葉と高木先生の言葉は本質的に同じであると理解したのです。

良い先生の授業を真似しなさいということです。

 

ですから私は塾講師のアルバイトをしているときは、徹底的に好きな教え方をしている先生の授業をパクって、あたかも自分が開発した解法かのように生徒に教えていました。使う例文もなにもかも真似していたように思います。

 

私が参考にしていた先生を全て紹介します。

河合塾・高木先生(英文法の導入および解法のほとんど全てを引用)

河合塾・松延先生(並べ替え問題と英作文の解法の全てを引用)

代ゼミ・富田先生(英文法と長文の一部、会話文問題、正誤問題のほとんど全てを引用)

代ゼミ・西谷先生(前置詞についてほとんど全て引用)

 

高木先生と松延先生は浪人時代に河合塾名古屋校で、

富田先生は大学生の時に代ゼミ柏校と名古屋校のサテラインで、西谷先生もサテラインでお世話になりました。

 

私の授業は正直、かなりわかりやすいと思います。

 

それは私に英語の能力があったとか教え方のセンスが備わっていたとか、そういうことではありません。予備校業界を代表する超人気講師の授業を完コピし、良いところだけを融合をしていたからです。わかりやすいに決まっています。

 

それを生徒の学力のレベルに合わせて噛み砕いて説明していました。

例えば富田先生の解法をそのまま伝えると偏差値30台から40台後半の生徒には難しいので、そのレベルの生徒層にも理解できるようにして噛み砕いて説明しました。

 

なので実際に私の授業の内容が好きではないという理由で退塾をされたことは7年間に及ぶ塾講師人生で2人か3人程度だったように思います。

 

パクることに罪悪感はないのか?ありません。

生徒からすれば元ネタがどこだろうがわかりやすくて点数が取れる方が良いに決まっています。わかりにくいオリジナリティーなんてクソ迷惑です。

むしろわかりにくい授業をして罪悪感はないのかと問いたいです。

 

私の元部下にも駿台予備校の出身だった講師がいました。駿台と言えば理系に強い予備校です。部下は理系の講師でしたが、予備校で教えてもらったことを自分が行う授業にも使っていると言っていました。

 

その証拠に、お世辞でもなんでもなくその部下は講師としても大変人気がありました。私と違って備わっている学力もあったので、東大京大レベルの生徒からも人気がありました。

 

授業が上手くなるために、非常にシンプルな答えを導きだします。

私は高校生対象の講師でしたが、祖父は小中学校の先生でした。パクリの対象に違いはあれど、パクるは全ての先生に共通する良い授業の基本です。

 

良い授業をしている先生の授業を完璧にコピーしましょう。

使う例文から口調まで、まずは全てパクりましょう。

その後、自分なりにこっちの方が良いのでは?と思うところは変えましょう。

それがあなたのオリジナリティーとなり、さらに付加価値のついた授業となります。

 

 

余談ですが、

大学3年にもなれば大学の講義がない曜日があります。

その時は昼間に代ゼミで受けた英語の授業をそのまま夕方に生徒に教えていた事もあります。

その話を祖父に言うと大爆笑していて、

「それで良い。子供たちを楽しませてあげてくれ。」と大変褒めてもらった記憶があります。

 

ちなみに河合塾での浪人の費用はさすがに親から出してもらっていましたが、

大学生の時の代ゼミに払った授業料は全て自分の塾講師のアルバイト代から捻出しています。

 

塾で稼いだバイト代を代ゼミに使い、代ゼミから得た知識をアルバイト先の塾へ還元していました。

今でこそ授業はしていませんが、私もそこそこには授業の研究(パクリ)を熱心にやっていた時代もありました。

 

授業のパクリは正義。著作権はない。

自分が先輩方から盗んできたものが、その後後輩に盗まれる。

こうやって授業がどんどん後世へ、質高く受け継がれていくことを願っています。

 

全ては生徒のために。

 

高木先生は諸事情があって河合塾を退社したようですが、私の中では永遠のスーパースターです。

 

Twitterはこちら

https://twitter.com/hirano_natsuki

  

 

授業の参考文献

転換発想の英作文―英作文は暗記? (河合塾シリーズ)

転換発想の英作文―英作文は暗記? (河合塾シリーズ)

 

 

新装版 富田の【英語長文問題】解法のルール144(上)

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富田の入試英文法―代々木ゼミ方式 Ver.3 口語問題

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