先生をはじめ、親や上司から怒られて言うことを聞かせられた経験はありますか。
かなりの頻度であるのではないでしょうか。下手すれば毎日って人もいるはずです。
生徒から見た先生に限らず、親や上司にも怒りという負の感情で人に言うことを聞かせようとする人間がいます。
今回は怒りの感情を出すことがなぜ良くないのか、そしてそれを次世代へ持ち越さないためにどうするかを考えていきたいと思います。
人を動かすとき、人間は2つの道具を持っています。
①感情(泣く、怒る、不機嫌になる)
②論理(理由を述べて、主張する)
0歳の赤ちゃんはこの2つの道具のうち「感情」しか持っていません。
オムツを親に替えて欲しいときに「汚れたのでオムツを替えてください」なんて論理的な主張はしません。泣きわめきます。これが感情です。感情100%で親を動かします。
少し年齢を進めます。
3歳になって幼稚園に入る頃には子供はどうなっているでしょう。お腹すいたからお菓子が食べたいと理由を述べて親に食べ物を要求できるようになります。これは論理です。しかしお菓子をくれない親に対して泣きわめいて食べ物を要求することもある年齢です。感情80%ってところですが、論理も20%くらいはつけてきているような頃です。
小学校を卒業する頃になるとこの感情と論理の割合はどうなりますか。まだまだ親に駄々をこねる子もいますが、気に入らないことがあっても泣きわめいたりしないで冷静に対応できる子もかなり増えてくる頃です。感情50%論理50%とします。
高校を卒業する頃、クラス内に感情ぶちまけて人に自分の要求する人はいましたか。ほとんどいなくなったはずです。怒ったり泣いたりと、負の感情をぶちまける高校生ってもうかなりやばいです。感情10%論理90%とします。
そして社会人になり、社内で企画を通すときに怒ったり泣いたりして企画書を通す人間はいますか。そんな社会人は軽蔑対象です。多少、熱意みたいなもので押し通すこともあるでしょうが、大人の世界では論理で人を動かします。限りなく論理100%に近くなります。
ここから3つの結論を導きだします。
①人は年齢を重ねるごとに論理によって人を動かすようになり、その割合も100%に限りなく近付く
②負の感情で人を動かすのは赤ちゃんが泣きわめくのと同じである
③負の感情で人を動かす人を見ると、その人を軽蔑する傾向がある(参考文献より抜粋)
自分の実力やスキルが足りなくて主張が通らないから手っ取り早く主張を押し通すために「こいつらは言わなきゃわかんないんだよ」なんて言葉を使って怒りの感情を持ち出し、論理で人を動かすことを諦めた人たちが残念ながら学校にも塾にもいました。現に今もいるでしょう。
そういう大人を見て子供は「めんどくさい時は怒れば人は言うことを聞くんだな」と間違った学習をします。そしてそういう子供が社会人になり、気に入らない部下にパワハラを起こす可能性も十分考えられます。
負の感情を使う大人を作ってしまった原因は主に「家庭」と「教育現場」です。家庭にも問題はありますが、学校の先生は全てを家庭の問題にするのは間違っています。
塾もまたパワハラチックな方法で子供に勉強させるところがあります。「なんで宿題やってこねえんだ!」とか怒っている姿、恥ずかしくて見ていられません。熱意で宿題をやらせるならまだしも、恫喝に近いものを目撃したこともあります。
そういう塾講師の行動もまたパワハラ社会の原因の一部になっていると考えています。
仮に自分がそういうことをされた場合の対処法としては、
①内心その上司をバカにすることで
②自分の方が大人だと精神的に優位に立って
③自身のの尊厳を自分で認めて、メンタルを守ること
をお勧めしています。
私は学校や塾の先生が「論理性を持って人を動かすことが大人でありかっこいい生き方である」と指導し、自ら実践して証明してほしいと思っています。もはやビジネススキルの具体策云々よりも意識の問題だと思います。
現に私が転職した都内の転職エージェントでは、正しいことを論理的に考えて上司部下一緒になって策を考えるという文化が定着していました。
教育現場もこうあって欲しいと願っています。
ちなみに私は教室長時代、高3生の夏期講習の受講届提出率が80%(1、2年生は98%提出済)という状況に怒ってしまったことがありました。そのあと高3生が慌てて受講届を持ってきて翌日に提出率100%になってしまい、会社としては利益でも人として幼稚で卑怯なことをしたなと今でも大変反省しています。
その後、生徒に負の感情をぶちまけて何かをしたことはありません。
引き続き生徒は私に付いてきてくれました。当時の生徒の大人な対応に感謝です。
特に管理職の人へ提言したいこと
①負の感情で人を動かすことは幼稚であると自覚すること
②生徒や部下含めて、意見の対立がある際は徹底的に話し合うこと
③話す時間がないとか言い訳しないこと
教育現場から離れていく優秀な人材が1人でも減ることを願っています。
Twitterのフォローもよろしくお願いします。
https://twitter.com/hirano_natsuki
参考文献